階段から落ちた

ふう、この脂肪ジャケットがなかったら危ないところだったぜ。


まだ月曜日終わったあたりなのに、心はリゾート温泉地に飛んでいます。鄙びた湯治宿でもいいですね。

六畳ばかしの部屋に畳と布団とブラウン管のテレビがあって、窓からは谷底を流れる川が見えます。

この山の上ではもう秋が始まっていて、ちらちら赤い葉が出てきました。この宿は自炊かいくらか払っての食事です。

浴衣を引っ掛けたまま冷蔵庫を開けると、朝市で買った産み立て卵と合鴨肉とネギ、舞茸ににんじんとほうれん草があります。それからお米。

自分用の鍋に材料をいれ自炊スペースへ。タイルの水場で米を洗い、自販機で買った水でご飯を炊きます。ここの水はちょっと硫黄っぽいからです。

ご飯が炊ける間に、合鴨肉を薄く切り、鍋で焼いてから野菜を入れます。水で煮込んで、共用の麺つゆ入れれば鍋の出来上がり。

炊き上がったご飯と鍋を自室に持ち帰り、真っ暗になった窓から月を肴に食べ始めます。締めには卵で増水。

お腹いっぱいになってうつらうつら。そして月が落ちるころ、お湯へ行きます。

古い、大きなしっかりした木で建てられた浴場に硫黄の匂いと湯気が立ち込めます。身体を洗ってから人気のないお湯の中へ。

音と言えば水の流れしかありません。浴場全体が湯気に包まれ、胎児のような気がします。

……ここまで空想で書いて悲しくなりました。休みたい。早く休みたい。