2021年7月号休載・予告なし

一応目次に休載扱いとなっています。

書くことがないので、こないだ母親が救急搬送された話をします。

夜十九時、帰宅してやっとのんびりしてた時に電話。「救急隊員ですが、お母さんが搬送されました」

ああついにきたか。高血圧だから心筋梗塞か、脳溢血か。いやな覚悟をきめつつ電話を聞いていると。

「薬をパッケージごと飲み込んだそうです。○○病院までお越しください」

・・・・・・。

うちの母親は人が止めてるのに、薬のパッケージを1錠ずつ切り離して飲んでるんですな。これをするとパッケージごと飲む人がいて、だから切り離せないように製薬会社が工夫したのに。

しかもコロナでめちゃくちゃ医療関係者忙しいのに。

薬パッケージごとのんで救急搬送。

しかも本人から電話かかってきて元気な声で「こなくていいから」

それでいかないほど薄情でもないので、タクシー飛ばして病院へ。昔、私は前庭神経炎というのにかかって死ぬ思いしました。具体的にはめまいでまっすぐ歩けず車椅子、さらに胃の中のもの全部はいてまだ胃液を吐いてそれすらなくなるレベル。病院にいって母親みたら。

かーちゃん、ぜんぜん元気でやんの。

点滴されてましたがたぶんただの水分補給。医者の話聞きにいったら、これが大変な話で。

まず、CTスキャンでパッケージさがし。

見つかったら、内視鏡つっこんで鉗子で取り出す。

夜の八時に。

コロナで忙しい時に。

薬のパッケージ飲んだだけでCTスキャン。

ほっとけば出てくるんじゃないかと思いましたが、それをいうと人としてどうかという理性はあったので黙ってCTにいく母親を見送りました。

CTでそれっぽいところがみつかったと医者から。

「喉にあるっぽいですね。胃はカレーパンが入っててわかんないんですよ」

薬のパッケージ誤飲するとおやつにカレーパン食べたことまでばれます。とりあえず喉を探してみようという話で、処置室に自力で歩いていく母を見送りました。

繰り返しますが私が前庭神経炎やったときは車椅子から降りられませんでした。

防げる事故は防いだ方がいいです。

ちなみに父は昔病院行くのが怖くてサボったあげくに風邪こじらせて肺炎からの入院コンボを決め、「この一週間が峠だと覚悟してください」と言われた人です。防げる事故を防がないあたり、夫婦でよく似てます。父は無事退院し元気です。

だから元気な人は医療関係者の負担を減らすように行動してほしいです。

さて、薬のパッケージは誤飲した母の喉から立派に出てきました。赤い薬のパッケージ。うっかり飲んだばかりにこんな時に救急車まで乗ったパッケージ。コメツキバッタのように頭を下げます。ごめんなさい医療関係者の皆さま。

そして、元気に歩いて行く母のシャツの背中には、こう書かれていました。

「なんくるないさー」

再度、申し上げます。医療関係者の皆さま、両親がご迷惑をかけました。申し訳ありません。

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